代表取締役社長 清水貴久
設立 | 2007年10月 |
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事業内容 |
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会社HP | https://www.silver-life.co.jp/ https://www.magokoro-bento.com/ https://magokoro-shokuzai.com/ https://magokoro-shokuzai.com/lp/ https://www.h-fureai.com/ https://www.sukusuku-bento.com/ https://rakuraku-bento.com/ |
どのようなきっかけで会社を起ち上げたのでしょうか?
コンサルティング会社に勤務していた際に、
多くのフランチャイズ企業について知る機会がありました。
当時はまだ世間にあまり知られていなかったのですが、
市場拡大が見込める「高齢者向け配食サービス」をその時に初めて知りました。
コンサルタントである自分の目から見ると、
できたばかりのこの事業はまだまだ改善の余地があり、
市場はこれからも伸び続けるという確信がありました。
そして独立して会社を設立、フランチャイジーとしてスタートしました。
店舗も増やし、当時そのチェーンの300店舗の中で売上が
ナンバー1とナンバー2の店舗を作った実績があります。
しかし、そこで本部と考え方の違いが出てしまいました。
私自身は本部とうまくやろうと思っていたのですが、経営の方針の違いというところでしょうか。
私の最初の教え子で、アルバイトとして私が採用して2号店の店長まで任せていた方が、
「清水さん、あの本部の考えはおかしい」と自分の考え方を貫き、
独立をして創業したのが、株式会社シルバーライフです。
結局、彼が独立した2年後に私も本部の方針との違いから結局そのチェーンを脱退し、
後からシルバーライフに合流しました。
会社を経営していて、これまで一番大変だった出来事はどのような事でしたか?
食品製造工場を自社で立ち上げた時です。
店舗数が300店舗近くになり、スケールメリットを活かして
安定的に安い価格で食材を提供するために、自社工場の保有を考えました。
色々と候補を探す中で、最終的には群馬県で「すかいらーく」さんが
保有されていた食品工場を人材ごと引き継ぐ形で買収しました。
しかし、当時の私たちには食品製造に関するノウハウがなく、
またすかいらーくさんから引き継いだ方たちも「決まったメニューだけを作る経験は豊富でも、
毎日違うものを作る」のは初めてでしたので、立ち上げにはかなり苦労しました。
最初は混乱が続き、製造ができても菌検査でひっかかり結果すべて廃棄することになるなど、
今までの経験では考えたことがないようなことが続く状態でした。
しかし、私自身も工場に2ヶ月ほど寝泊まりして試行錯誤を繰り返すことで
なんとか改善策を練り出し、安定稼働まで持っていくことができました。
振り返ると、あの状況を乗り切ったことで食品工場の運営に関する知識が
強制的に身につき、製造部門のメンバーとも対等に技術的な議論ができるなど、
その後の経営に大きくプラスとなったと考えています。
ちなみに知識のアップデートのために、
今でも週に1日は必ず工場に行って現場の状況把握をするようにしています。
貴社の強みについて教えてください。
大きな強みは2つです。
①多品種ランダム生産ができる工場を保有していること
②全国1位の店舗網を持っていること
①について、実は本当の意味で多品種ランダム生産が出来る食品工場は
日本には殆どありません。同じものを作り続ける食品工場、
例えば肉まん工場やパスタ工場などはたくさんありますが、
毎日違うものを効率的に作っていく食品工場はほぼありません。
やはり工場としては多品種ランダム製造は非効率だと考えられているからです。
しかし、私たちは非効率であってもお客様が飽きないように多くの品目を提供したい。
その大いなる矛盾をなんとか解決したのが自社工場です。
だからこそ「日常食」であるこの業界で、
自社工場を保有していることは大きな強みと考えます。
現在は1000以上の種類があります。
②については、店舗網が多いことで、
よりたくさんのお客様にお弁当をお届け出来るようになります。
食品関係においてはこの「量」が重要となります。
量があれば仕入れも製造も、よりスケールメリットを活かすことができます。
例えば今まで1匹100円だった魚が10万匹買えば1匹60円になるので、
お客様にはより安く良いものをお出しできるようになります。
加えて私たちの店舗の配送網は
「全国のご自宅へのラストワンマイルとなる密度の濃い配送網」であると考えています。
将来的には、全国に張り巡らせた店舗網を活かし、
お弁当以外のものも配達できるようにしていこうと考えています。
これは当社のさらに大きな強みとなっていくでしょう。
”高齢者向け配食サービス”を展開する上で、
清水様が特に心がけている事などありましたら教えてください。
その仕事は誰の助けになっているのか?と常に相手のことを考えて自問自答する事です。
仕事は常に相手がいます。
「困っている人を安心させたい」という気持ちで始めたこの事業ですが、
その気持ちを常に忘れないように心がけています。
また、相手を考えることは競合他社の動きを予測する事にも活かせます。
高齢者向け配食サービスは伸びていく市場ではありますが、
その伸びていく市場に胡坐をかいて何もしないでいたら、
競合他社に負けてしまうかもしれません。
そのため、お弁当のメニューも可能な限り自分で毎日食べ、
盛り付けの色合いから味、食べやすさまで確認しています。
味についてはそれぞれの好みがあるので、多くの人がこれで良しとする
「文句のない味」であれば問題がないと考えています。
食べやすさについては高齢者の方が噛みやすいか、触感には特にこだわって確認しています。
また、高齢者の親御さんを持つご家族の方の心配している気持ちを考えた結果、
携帯で簡単に通知がいく「安否確認サービス」も無料で始めました。
今後のビジョンについて教えてください。
食を通じて、誰もが安心できる社会のための
インフラに当社はなっていきたいと考えています。
具体的には上記でも述べた当社の強みである、多品種ランダム生産ができる工場、
そして全国1位の店舗網を活かし、他社への製造能力の開放、
他社製品の配達等を行っていきたいと考えています。
将来の商品として現在重視しているのは薬です。
食事と薬は、一緒にいただくことが多いですし、
お弁当をお届けする際に一緒に運ぶことも可能だと思っております。
ただ薬に関してはまだ規制が強いという現状のため、
緩和されたときに検討したいと考えております。
《 株式会社シルバーライフ 代表取締役社長 清水貴久 》