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石川康晴 公益財団法人 石川文化振興財団 理事長

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理事長 石川康晴

理事長 石川康晴

理事長 石川康晴

公益財団法人 石川文化振興財団
設立 2014年(平成26年)8月25日
事業内容
  • オカヤマアワード事業
  • 岡山芸術交流 2022
  • 美術館事業
  • ホテル事業 A&A
  • 不動産賃貸事業
  • 助成事業
  • 寄付計画
HP

石川康晴とは

石川康晴さんとは、実業家、企業家、アートディレクターなど、様々な才能を発揮している人物です。

最初はアパレルブランド「earth music & ecology」で成功を収め、やがて会社を一大アパレルグループのストライプインターナショナルへと成長させ、最盛期には年商で1300億円以上を達成しています。

石川康晴さんはもともと地元岡山への郷土愛が強く、地域振興などに関わっていましたが、現在はストライプインターナショナルを退社し、公益財団法人 石川文化振興財団の理事長として、地域の文化交流や経済振興に携わっています。

その手腕は大きく注目され、テレビ東京「カンブリア宮殿」や地元のTSC テレビせとうちの番組などにも出演し、複数の著書もあり、紺綬褒章などの受賞歴も多く、大きなくくりで言うならば文化人と称することもできる人物です。

アパレル業界での成功

石川康晴さんのアパレル経営者としての成功は、1994年6月にオープンさせたレディスセレクトショップ「CROSS FEMME」が原点です。

ショップには、フランスやイギリスなど欧州で買い付けた高感度なウエアが並び、売り上げは初年度4,000万円、2年目には1億円になり一気に成長します。

しかし、数年後には値上げによる客離れ、経営方針に反発する社員の一斉退職で会社は一転、ピンチに陥ります。

そこでとった方針は、製造から販売まで自分たちで手掛けるSPA(speciality store retailer of private label apparel=製造小売)という業態です。

その新スタイルを実行するために1999年に思い切って「CROSS FEMME」は閉店し、新たに「earth music & ecology」を立ち上げてこれが大成功します。

経営者としても成功

「earth music & ecology」が軌道にのると、新たに複数のアパレルブランドをスタートさせ、unmarble飲食事業を開始したり、earth music&ecology 香港FC店をオープンさせたりと、経営者としての手腕を発揮していきます。

「earth music & ecology」については、ブランドキャラクターに女優の宮﨑あおいさんを起用したのがハマり、広告戦略でも大成功をおさめます。

さらに、M&Aによるキャンの買収や海外アパレルへの出資、買収などを行う戦略により、グループ全体で世界での店舗数が1000店舗を超え、2017年度~2019年度には年商1,300億円を突破する、巨大アパレル企業へと成長させました。

いまでこそ大企業となったストライプインターナショナルですが、創業4期目、9期目、13期目には同じことを繰り返すという過ちにより倒産の危機を迎えてしまいます。

そのときにピンチを切り抜けたのは、“路線転換”というやり方で、SPAや大型店舗、ベーシック、リーズナブルへの転換、そしてM&Aを駆使する経営スタイルは会社の発展に大きく寄与しています。

文化交流・経済振興への取り組み

現在の石川康晴さんの肩書は公益財団法人 石川文化振興財団の理事長ですが、これは文化交流や経済振興に取り組みたいという、石川康晴さんの理念が結実した結果です。

岡山で芸術イベントを手掛けたり、アートで街を活性化させたり、若手アーティストの活動を支援したりと、文化、経済、教育という分野において、大きな役割を果たしています。

多数のアートに彩られる美術館のような自宅

石川康晴さんのアートに対する考えは、「デザインは客を設定するが、アートは客を設定しない」というものです。

また、アートは美的センスを高めてくれて、美的センスがある会社は伸びるという彼の成功の根底を思わせる考え方があります。

実際、石川康晴さんの自宅には多数のアート作品をまるで美術館のように展示していて、普段からアートに親しむ生活をしています。

石川康晴のプロフィールと生い立ち

石川康晴さんのプロフィールと生い立ちを調べてみました。

特に生い立ちでは、彼のアパレル業界での成功の原点を見ることができました。

プロフィール

本名 石川康晴(いしかわやすはる)
生年月日 1970年12月15日生まれ(射手座)
血液型 A型
年齢 50歳(2021年4月時点)
出身地 岡山県岡山市
学歴 岡山県立岡山南高等学校卒業
専門学校岡山ビジネスカレッジ卒業
岡山大学経済学部経済学科卒業
京都大学大学院経営管理教育部修了
現所属 公益財団法人 石川文化振興財団理事長

生い立ち

石川康晴さんの生い立ちで重要なのは、日本舞踊の師範をしていた祖母と日本舞踊を習っていた母の存在です。

日本舞踊で美しい踊りと舞としぐさを極めるおばあちゃんやお母さんから影響を受け、石川康晴少年は中学生からお気に入りの洋服ショップに入り浸る、アパレル大好き少年になっていたそうです。

そして、そのショップの店員さんに「それだけ好きなら将来は自分で洋服屋を経営したらどうか」と提案されたのをきっかけに将来の設計図としてアパレルでの起業が彼の頭の中に明確に刻まれる事になったのです。

その後、洋服の勉強をするために専門学校に進学し、学生時代は複数のアルバイトを掛け持ちしました。
就職は洋服屋の起業に役立つ知識を仕入れるために紳士服チェーンに就職するなど、自分が実現したい洋服屋の開店のために逆算して進路を決めるという、したたかな進路決定を行っています。

現在は公益財団法人 石川文化振興財団の理事長

アパレル業界で成功し、日本有数のアパレル企業ストライプインターナショナルの社長として活躍していましたが、現在は公益財団法人 石川文化振興財団の理事長というポジションにおさまっています。

ストライプインターナショナル社長からの退任は、一部報道を受けてのものでしたが、もともと会社の理念などを教え込んだ幹部教育を行っていたこともあり、トップ交代はスムーズに行われました。

また、現在もストライプインターナショナルの株式の40%を保有していて、社長ではないものの実質的にオーナーであり、会社に対する発言力は変わっていない状態です。

石川文化振興財団の理念

石川文化振興財団は2014年(平成26年)に設立された公益財団法人です。

組織は、石川康晴さんをトップに、理事として岡山県信用保証協会 会長・足羽憲治さん、公益財団法人岡山県スポーツ協会 会長・越宗孝昌さん、国立大学法人岡山大学 学長・槇野博史さんなどが名を連ね、オール岡山体制を整えています。

理念としては、国際的視点からの芸術文化の振興を主に、芸術、文化、経済、教育への支援を行い、岡山社会に高揚感を提供し、岡山の未来を担う人々の教育に寄与するという理念を掲げています。

また、今後はさらに地域の人々と一緒に学び、成長できるような事業に取り組むとしています。

石川文化振興財団の活動

芸術文化支援事業のメインとしては、3年に1回開催される国際現代美術展「岡山芸術交流」を岡山市や岡山県などと共に主催しています。

石川康晴さんは、2016年の初回、2019年の2回目の両方で総合プロデューサーを務め、2022年の秋(9月下旬~11月下旬)に開催が予定されている第3回でも総合プロデューサーとして選任されています。

また、「岡山をもっと元気にしたい」という思いから創設された「オカヤマアワード」では、中小企業の若手などをオカヤマアワード受賞者として選出し、プラスに働く競争意識を植え付け、岡山の経済振興や若手育成などに役立てています。

石川康晴の経歴

さまざまな顔を持つ石川康晴さんのこれまでの経歴について調べました。

セレクトショップ「CROSS FEMME」を開店

すべての原点は1994年6月に岡山に開店したセレクトショップ「CROSS FEMME」になります。

このお店はわずか4坪という小さなものでしたが、品揃えの良さから人気を集めます

有限会社クロスカンパニー(後のストライプインターナショナル)設立

初年度から4,000万円という売り上げを達成し、創業から1年もたたない1995年2月には有限会社クロスカンパニーを設立して法人化します。

クロスカンパニーは会社の成長と共に、2002年2月には株式会社クロスカンパニーに組織変更し、2016年3月には株式会社ストライプインターナショナル(STRIPE INTERNATIONAL INC.)へと社名変更します。

内閣府男女共同参画会議議員への就任

2019年3月には政府からの辞令を受け、内閣府男女共同参画会議議員に就任しています。

これは、ストライプインターナショナルの社員約3000名のうち90%以上が女性で、女性管理職比率は50%超であり、女性が活躍できる環境づくりやライフステージに合わせた制度作りが評価された結果です。

ストライプインターナショナル代表取締役社長兼CEOを退任

2020年3月には、ストライプインターナショナル代表取締役社長兼CEOを退任しています。

しかし、前述したように株式の40%を保有し、実質的なオーナーという体制です。

公益財団法人石川文化振興財団の理事長に就任

石川文化振興財団は2014年に設立されていて、時系列的にはストライプインターナショナル退社後に理事長に就任したわけではありません。

石川康晴さんは出身地の岡山に強い愛情を持っていて、退社をきっかけに岡山の振興活動に本腰を入れるようになったというのが流れです。

「岡山芸術交流」の総合プロデューサー就任

岡山芸術交流では、2016年、2019年、2022年と3回連続で総合プロデューサーに就任しています。

2022年秋に予定されている「岡山芸術交流2022」では、準備期にコロナ感染拡大期が重なり難しい舵取りとなりますが、どのように現代アートを楽しめるようにするか、石川康晴さんの手腕に注目が集まっています。

過去の失敗から社内改善でホワイト企業認定

ストライプインターナショナルは、かつてブラック企業大賞を受賞してしまうほどのブラック体質な会社でしたが、社内改善でホワイト企業認定されるほど、労働環境を改善することに成功しました。

パワハラ問題やセクハラ問題を抱えるブラック企業と呼ばれるような状態から抜け出すことが出来ない会社が少なくない中、石川康晴さんをはじめとしたストライプインターナショナルのメンバーの努力によって改善されたことが伺えました。

その流れを追ってみたいと思います。

ブラック企業大賞受賞

ストライプインターナショナルは社名がクロスカンパニーだった頃、残業時間が111時間以上だった事例があったり、上司が「売上を上げなければ給料も休みも出さない」と発言したりしたことが明るみに出たりして、2013年8月に「ブラック企業大賞」で業界賞を受賞してしまいます。

石川康晴さんは、専門学校時代に複数アルバイトをかけもちしたり、就職してからも無駄遣いをしたりしないなど、起業するためにがむしゃらだったことがあり、自身の経験が社風に反映してしまったという点があげられます。

このブラック企業大賞受賞をきっかけに内定者の3分の1が辞退することになり、会社は大ピンチを迎えます。

もともと石川康晴さんの目指すところは「アパレル業界で女性が最も働きやすい会社」だったのですが、自身のやり方、マインドが間違っていたことを認め、ホワイト企業転換へと舵を取ります。

ホワイト企業認定への改革

ホワイト企業を目指す宣言を出した後、まずは徹夜や深夜残業が当たり前だった仕事体制を改めるため、幹部全員の定時退社を徹底し、忙しい社員も22時までには退社することを決めました。

上限が設けられたことで社員は業務の効率化に取り組み、やがて上限は21時、20時、19時とどんどん前倒しすることに成功しました。

改革の過程では、単に社員に対して業務効率化を強いるだけではなく、従業員を増員したり、時間を短縮できるシステムを導入したりして働きやすい環境づくりをして、社員を支援しています。

ホワイト企業に与えられる多数の賞を受賞

結果として、見事に会社はホワイト化を果たし、ホワイト企業に与えられる多数の賞を受賞します。

2016年4月には、女性活躍推進法に基づく、女性活躍推進に関する状況などが優良な企業に発行される認定マーク「えるぼし」認定を受けます。

同10月には、職場でのLGBTQなどのセクシュアル・マイノリティへの取組みの評価指標「PRIDE指標」でゴールドを獲得します。

同12月には、グローバルビジネス誌フォーブスによる、最も女性が活躍する企業を表彰する「JAPAN WOMEN AWARD[1,000人以上の部]」で6位を受賞。

2017年2月には、おかやま子育て応援宣言企業「岡山県知事賞」を受賞、また、経済産業省から「健康経営優良法人2017(大規模法人部門)~ホワイト500~」認定、男性が育児と仕事の両立を実現できている企業を表彰する「イクボスアワード2017」の特別奨励賞を受賞するなど、社内の改革が様々な方面から評価されるようになります。

また、ブラック企業認定以前には、岡山県が男女共同参画社会づくりに積極的に取り組んでいる県内の企業や個人を表彰する「岡山県男女共同参画社会づくり表彰」で事業者部門を受賞しています。

受賞歴

石川康晴さんが社長を務めていたストライプインターナショナルは、ホワイト企業として多くの受賞歴がありますが、石川康晴さん個人としても多くの受賞歴があるので、ここで紹介していきます。

紺綬褒章を受章

2018年に西日本豪雨で大きな被害を受けた岡山県に対し、石川康晴さんは個人で1億円の寄付金を岡山県に贈呈します。

この寄付金は、「岡山県子ども災害見舞金基金」の新設に役立てられ、それを評価されて天皇陛下から紺綬褒章を授与されています。

EY Entrepreneur Of The Yearを受賞して日本代表に

新しい事業領域へと挑む起業家の努力と功績を表彰する起業家表彰制度「EY Entrepreneur Of The Year 2013 Japan」(主催:新日本有限責任監査法人)でナショナル・アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー部門を受賞し、日本代表に選ばれます。

翌年の2014年には、モナコ公国・モンテカルロでの世界大会「EY World Entrepreneur Of The YearEY(ワールド・アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー)」に参加しました。

世界ナンバーワン起業家の座はインドのコタック・マヒンドラ銀行(Kotak Mahindra Bank)の創業者であるウダイ・コタック(Uday Kotak)氏に譲りますが、世界51カ国から集まった60人の優れた起業家と触れ合う機会はそうそうあるものではなく、素晴らしい刺激を受けたことでしょう。

企業家賞の大賞受賞

2016年には企業家倶楽部が主催する第18回企業家賞で大賞を受賞します。

2012年にはチャレンジャー賞を受賞していて、2度目の受賞となります。

受賞の記念講演では、今後の新ブランドの展開やファッションレンタルアプリ「メチャカリ」で世界の商習慣を変えることへの挑戦、世界進出への意気込みを語っています。

経済界大賞のライジング賞受賞

2017年には、株式会社 経済界が主催する経済界大賞でライジング賞を受賞しています。

この年の受賞者は、大賞がANAホールディングスの片野坂真哉さん、特別賞が東京都知事の小池百合子さんなど、錚々たるメンバーでした。

ベストドレッサー賞

2018年には、社団法人日本メンズファッション協会が主催する第47回ベストドレッサー賞において、特別賞を受賞します。

推測ですが、アパレル業界に身を置く石川康晴さんにとって、この賞の受賞は一番嬉しい賞のひとつになるのではないでしょうか。

授賞式にはいつものスーツにネクタイや蝶ネクタイという姿ではなく、意表を突く着物姿で現れ、「23歳でアパレル会社を創業し、四半世紀、業界に関わってきた者として、大変名誉な賞を頂き、有難く思っています。更に精進し、成長していきたいと思います。」 というコメントを残しています。

石川康晴の著書(共著・単著)

石川康晴さんは自身の哲学や実践してきたことなどをまとめた著書を何冊か出版しています。

ここでは、その内容を紹介していきたいと思います。

『アースミュージック&エコロジーの経営学』

ストライプインターナショナルの代表ブランド「earth music & ecology」について、全員正社員や売上高10年で22倍といった驚きの戦略・成長を遂げた石川流の経営戦略が明かされています。

『学びなおす力――新時代を勝ち抜く「理論とアート」』

京都大学大学院でMBA(経営学修士)を取得した石川康晴さんが語る、インプット×アウトプット術を紹介しています。

『「出る杭」を引き上げ、育てる経営への転換』

経営拡大期に、社内外の逸材を引き上げて事業を任せ、育成している石川康晴流の人材育成と事業拡大論です。

LINEの元CEOらとの共著『新世代CEOの本棚』

この本は、時代の最先端をゆくCEO10人が自分の本棚にある愛読書を教えてくれるという内容です。

参加しているCEOは、LINEの元CEOで現在はC Channel株式会社代表取締役社長の森川 亮さん、ライブドア元CEOで現在は宇宙開発事業などに携わる堀江貴文(ホリエモン)さん、ミクシィ元CEOでシニフィアン株式会社共同代表などを務める朝倉祐介さんなどで、石川康晴さんは彼らと肩を並べる存在であることがわかります。

なお、石川康晴さんが紹介している1冊は、倒産危機の時にピンチを脱するきっかけになった1冊として『商売心得帖(著者:松下幸之助)』です。

今後の活動

ストライプインターナショナルを退社した石川康晴さんの今後は、公益財団法人 石川文化振興財団の理事長としての活動がメインになります。

定期開催の「岡山芸術交流」では、今後も総合プロデューサーを務めるものと思われます。

また、最新の活動では、2021年4月15日には芸術や地域文化の発信を行う「福岡醤油ギャラリー」をオープンさせており、ここでは、展覧会や食事スペースにおいて、多様な文化を発信していくとしています。

石川文化振興財団の理事長としては、今後も岡山の文化、経済、教育の発展に貢献していくことでしょう。

また、ストライプインターナショナルの社長からは退任しましたが、オーナーとしての発言力は残っています。

社長在任時は、2014年スタートのNew Basic For New Cultureをコンセプトにしたブランド「KOE(コエ)」を1兆円ブランドに成長させ、ユニクロやZARA、H&Mなどを超えることを目標としていました。

「KOE(コエ)」を世界の誰もが知るブランドにしたいと意気込んでいた石川康晴さんですから、社長退任後でもその経営戦略について、現在のストライプインターナショナルトップ陣営とアドバイスや意見交換などを行っていることでしょう。

《 石川康晴 公益財団法人 石川文化振興財団 理事長 》


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