代表取締役社長 最高執行役員 藤澤 信義
設立 | 1977/3/18 |
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事業内容 |
金融事業をメインとした子会社23社を持つホールディングカンパニー
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会社情報 | https://www.jt-corp.co.jp/ |
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Jトラストの歴史
Jトラストは1977年創業と約40年の歴史がある会社ですが、
私がTOBした2008年当時の総資産は120億円程度の会社でした。
その当時、日本では上限金利や過払い問題で消費者ローン市場は縮小の一途でした。
Jトラストといえば破たんした武富士の資産を承継した会社として
ご存じの方がいらっしゃるかもしれませんが、
私は、まず日本における消費者ローン市場のM&Aを積極的に行うことで
事業基盤の足場を固めてきました。
数十社にも及ぶM&A案件で我々はありとあらゆる金融知識、
経験を持つ人財を手に入れることが出来たこともあり、
次のステップとして海外に目を向け、2011年には韓国のコンシューマーローン市場に進出、
翌年の2012年には韓国において貯蓄銀行業のライセンスを取得し、
破たんした銀行の資産承継や債権のM&Aも積極的に実施しました。
これを機に事業の軸足を日本からアジアに向け、
2013年にはシンガポールに投資拠点となる会社Jトラストアジアを設立、
2014年にはインドネシアの銀行もM&Aにて獲得しました。
これらにより現在のJトラストの総資産は6千億円を超える規模にまで成長しました。
Jトラストは、ホールディングカンパニーとして、
この数年間のM&Aにて確立させた日本、韓国、インドネシアでの
金融事業を中心として成長してきましたが、一部の投資家からはここ数年の拡大を見て
「銀行再生業のJトラスト」とも呼ばれたりしています。
今後も金融事業を中心としてアジアを舞台にさらなる飛躍を目指していきます。
起業の経緯
私は元々起業しておらず、最初に就職したのが不動産担保融資を行うファイナンス会社でした。
入社して半年で当時の社長から「不動産事業部を作って稼ぎなさい」と言われ、
その時サービサー会社とも協業して案件に取り組んだことが金融の知識を学ぶきっかけとなりました。
この案件が評価されたこともあり、入社から2年で代表取締役社長となりました。
当時のノンバンク業界は上限金利や過払い問題で経営がひっ迫している会社も多数ありましたが、
その当時私がおこなったことは利息が下がって収益が落ち込む分、
残高を倍にすればいいと思い、そこを伸ばしました。
その結果、当初「赤字もやむなし」と言われていましたが最終利益を確保することができ、
翌年には金利引き下げ前と同レベルの利益に回復させることができました。
それがオーナーに認められたこともあり、ビー・ジャパンの株式を配当還元方式で
33.4%保有する筆頭株主となったのが2004年のことです。
その4年後にJトラストをTOBし、筆頭株主になりました。
いつも念頭に入れていること
これまでJトラストはM&Aを行うことで事業基盤を固め成長してきました。
色々な企業の出身者が集まるとありがちなことは、
過去に根付いた企業文化それぞれが主張してしまい
新しい企業風土が馴染まず「派閥抗争」が起こったりします。
そうなると企業規模は巨大化しても生産性は低下し、
的確・迅速な経営判断を阻害する要因になったりもします。
現在Jトラストは23社の子会社を有し、
アルバイトの方を含めると約4,500人の従業員がいますので、
「トップが自ら動き、迅速な経営判断をしなければいけない」ということを念頭に動いています。
ただ、オーナーによくあるようなトップダウン手法は一切取っていませんし、
全役職員には「自分の居場所は自分でみつけなさい」と常々言っています。
過去のインタビューでは、新卒者を自社の色に染めていく「日本型企業」の真逆をいく
「脱日本型の経営ですね」とも言われたことがありますが、
役職者は部下の誰よりも働くことが求められ役職者はすべてその意識の下に
「自分の部署を業界ナンバーワンにする」ことを目指すように言っています。
それからJトラストには「月報制度」があり、
月に一度は一般社員とも対話する機会を設けています。
これもインタビューのときに「Jトラストの風通しのよい企業風土ですね」
とも言われたことがあります。
注力している事業について
現在は韓国、インドネシアなどアジアを中心に銀行業をしており、
どちらも地域に根付いた銀行経営をしています。
特にインドネシアでは、農村地域で農機具を必要としても、
ローンを組めない方々が多数おられます。
銀行がない、ファイナンスの手段がないなど理由はさまざまですが、
例えばこの方々が農機具を持てば、作業効率が格段にあがり、
作業スピードがあがることで別の仕事ができたりもします。
そうすると収入も増え、地域経済も活性化します。
そういった方々のニーズに応えるべくグループ会社が地方にPOSと言う営業拠点を設置し、
そこを拠点に農機具を販売しつつローンを提供しています。
はじめて1年少しが経過しましたが、現在はインドネシアで60拠点ほどのPOSを設置し、
農機具だけでなく、バイクローンやマイクロファイナンスも行っています。
マイクロファイナンスとは個人のグループに対して融資を行うのですが、
対象となるのは、露店業など小さな事業をしている方々です。
この方々は融資が受けられると事業が少しずつですが大きくなり、収入も増えます。
Jトラストは、このように地域経済活性化の一助となりながら
自分たちの事業も成長していく取り組みに注力しています。
若い方へのメッセージ
特に若い方たちが成長する原動力は「チャレンジ精神」だと思っています。
Jトラストも比較的短期間で成長できたと思うのですが、
成長過程においては固定観念を持たず、
常にチャレンジ精神を持ち続けることが一番重要だと思っています。
一生懸命やっている「つもり」ではなく、一生懸命「行動に移す」ことが大事で、
真面目に一生懸命物事に取り組めば必ず結果はついてきます。
また、私は年齢によって目標は異なると思います。
例えば20代なら社会の構造について学ぶ時期、30代は社会及び会社で認められる時期、
40代には会社の中心となって働き、50代になればバランスのとれた考え方や行動の仕方が出来ると思います。
就活中であれば20代の方々が大半だと思います。
人間は誰でも失敗をしますが、失敗から何を学び、成功に繋げられるかということが重要です。
失敗を恐れずどんどんチャレンジしながら社会の構造について学び、
自分の糧になるように頑張ってください。
《 Jトラスト株式会社 代表取締役社長 最高執行役員 藤澤 信義 》