取締役副社長 英 裕二
取締役副社長 英 裕二
穴水町の廃校利活用の公募を知り・・・。
能登 清水の里 穴水 全景
石川県能登にある小学校跡地を利用した施設
当社は元来、不動産賃貸業と建設業を主に事業していました。
当社の創業者『森口邦光』は石川県の能登半島にある穴水町出身ですが、
その母校である穴水町立諸橋小学校が統廃合により廃校となっていました。
平成20年頃、穴水町のホームページで廃校利活用の公募していることを知り、
創業者『森口邦光』の地元である穴水町や諸橋地区に過疎地域の活性化と
雇用の創出をすることで社会貢献することができると考え、
また福祉・介護事業は当社において一本の柱になると思い廃校利活用に応募することにしました。
穴水町とは「建物の維持管理保全」「地域の活性化」「雇用の創出」「地域の社会活動への協力」等を公約し、
穴水町議会の議決を経て、平成21年8月に町有財産無償貸付契約を交わし借り受けることになりました。
創業者『森口邦光』は、「これで、穴水町と諸橋地区を少しでもよくすることができる。」
と言っていましたし、今でもそう思っています。
当社の系列会社である株式会社清泉の宿が住宅型有料老人ホームと在宅介護事業をしていましたので、
そのノウハウを使い、住宅型有料老人ホームと在宅介護事業を併設した施設に改修することにしました。
地域の方々からの要望もあり、外壁に飾ってある大きな時計や、
教室の扉・棚・床などを再生し小学校跡地らしい雰囲気を残し、
天井も高く開放的で木をたくさん使った暖かみのある施設に改修しました。
旧小学校の部材を再生するためには、部材を一つずつ綺麗に取り外し、工場に持ち帰り、
再加工し取り付けていたため、改修工事に1年近くもかかり大変苦労しました。
通所介護(デイサービス)には、石川県木の【能登ヒバ】(穴水産)を浴槽に使い、
地元の特質も生かすようにしています。
香りも良くて癒しの効果もあるので、施設入居者様・利用者様から喜んでいただいています。
このような事業スタイルは全国的に珍しいらしく、他の自治体からの問い合わせや見学も多く、
一般の見学者を合わせると数百件になり、みなさん「すごくいい施設ですね」と言ってくださいます。
「ボラ待ちやぐら」「潮騒の道」など観光資源もたくさんありますので、
益々穴水町全体が元気になっていくと思います。
地域に根付き、包括的サービスをする。
諸橋おにぎりサロン開所式
高齢者向け『諸橋おにぎりサロン』開所式
当施設の改修工事を進める中で、地域の方々から様々な要望がありました。
当施設には諸橋公民館も併設されていますが、その諸橋公民館1階にミニキッチン(IH)増設、湯沸し室のコンロもIHに交換しました。
2階についてはトイレ1ヶ所、IHシステムキッチン3セット、食器棚1式を新設しました。
旧諸橋中学校跡地記念碑については、地域の方々と合意のうえ移設しました。
旧諸橋中学校体育館は老朽化が激しく倒壊の恐れもあったため柱の補強を行なったり、
雨漏りも酷かったので屋根瓦の葺き替えも行いました。
清水体育館(旧諸橋小学校体育館)には、体育館全面に人工芝を敷き、
地域の方が自由に使える全天候型のゲートボール場として開放したり、諸橋地区敬老会や諸橋文化芸能発表会、
穴水町駅伝競争大会開会式場など様々な行事に使用しています。
しかし、清水体育館を様々な行事に使うにも関わらず、問題が山積みでした。
トイレの数が少ないと言われたのでトイレを増設しましたし、
入口に屋根がないので雨の日は入りづらいと言われたので悪天候時にも
スムーズに出入りできるように屋根をつけましたし、
下駄箱が欲しいと言われたのでたくさん収納できる大型の下駄箱を
設置するなど地域の方々の利便性を考え改修しました。
平成27年11月15日に、第60回穴水町駅伝競争大会がありました。
出場人数のことなど色々あったので間際まで出場するか否か悩みましたが、
第60回記念大会ということで1ヶ月前に出場をきめました。
結果は1部出場30チーム中13位と平凡ではありましたが、練習を3回しかできなかったということもあり、
選手7人がよく頑張ってくれたと思います。これでも立派な成績だと思います。
清水運動場(旧諸橋小学校運動場)についても、地域の方々が諸橋地区運動会やソフトボール大会、
親子キャンプなどに利用していますので、当社で除草用草刈機を購入し、
地域の方々もその草刈機を自由に使えるようにしました。
去年、地域の方々を招いて『清水の里まつり』を開催した時には、バーベキューをしたり、
ボランティアの「竹の子会」による民舞等を披露していただいたり、
『能登 清水の里 穴水杯グラウンドゴルフ大会』を開くなど地域の方々と
交流を深めることができ非常に喜んでいただくことがきました。
また、当施設に隣接する能登 清水の里 自然体験農園 宇加川の施設の一部を
穴水町社会福祉協議会が管轄する高齢者向け地域サロンとして場所を提供することにしました。
穴水町社会福祉協議会に申請書を提出した後、サロンの羽根会長と覚書を締結しました。
サロンの羽根会長も穴水町社会福祉協議会の大島会長と小川事務局長に良くしてもらい喜んでいました。
サロンの名前は「諸橋おにぎりサロン」と言い、毎週1回水曜日に開催しています。
名前の通り昼食にはおにぎりをみんなで食べていただくのですが、
参加者も自らおにぎりを握ったり、漬物を持ち寄ったりなどして楽しんでいるようです。
室内にはカラオケも設置しましたので、みなさんに大変喜んで歌っていただいています。
そのおにぎりサロンには当社社員もボランティアとして参加していますので、地域の方々との情報交換をしたり、
日々の状況などいろんな話をさせていただき介護を含む様々な相談場所にもなっています。
穴水町新崎地区集会所にもカラオケを設置し、新崎地区の方々に自由に使ってもらっています。
しかし、穴水町健康推進課が行っている健康教室に他の地区からも参加者を募り
許可を取らずにカラオケ教室参加者の募集していたようなので、
当社の本意とは少しずれていますが、みなさんに秩序をもって有効活用していただければ嬉しいので、
使用許可申請書を出してもらうことで許可することにしました。
また、当施設が地域の各種災害時の避難場所として指定されているため、
当施設として備蓄米や野菜・飲料水を蓄えています。
関連施設の前面道路が穴水消防諸橋分団ポンプ車操法の練習所となっているため、
地域と密着して全社員の防災意識も高めています。
さらに当施設の1室を使い、公立穴水総合病院甲診療所諸橋巡回診療が毎週水曜日の午後に診察に来て頂いています。
当施設入居者だけでなく地域の方々も利用されています。
このように少子高齢化が進み限界集落に近い過疎地域に当施設を設立し、地域の方々の要望に答えるだけでなく、
様々な交流を図ることで地域の活性化になっていると思いますし、
地域に根付くことで包括的なサービスに繋がっていると思います。
耕作放棄地解消・雇用の創出・地産地消・空き家対策。
のと米コシヒカリ 御田植式
耕作放棄地を借り上げ、地産
地消を目指す 抜穂式
当施設周辺には耕作放棄地がたくさんあり、草が生い茂っていました。
当社の創業者『森口邦光』は「このままでは地元が荒んでしまう。」と思い、すぐに地権者を集め説明会を開き、その耕作放棄地を借り上げることにしました。
『能登 清水の里 自然体験農園 穴水』と名付け、農業に本格参入することにしました。
当初は、諸橋地区と新崎地区のみで農園を始めて、あまり大きくする予定ではありませんでしたが、
穴水町内の乙ケ崎地区からも「自分の地区もお願いしたい。」と声をかけられ、
平成27年3月27日農地利用集積円滑事業を利用して、
穴水町のおおぞら農業協同組合と農地利用に関する覚書を締結し農地を増やすことにしました。
今では、穴水町地内に作付面積 水田約6ha、畑約4ha 合計約10ha
(宇加川地区;約2ha・新崎地区;約3ha・乙ケ崎地区;約5ha)にまで拡大するに至りました。
穴水町おおぞら農業協同組合とは農地の提携だけでなく、お米(命名;のと米コシヒカリ)や人参、かぶ、ぶどうなど
いろいろ営農指導をしていただいていて、おおぞら農業協同組合の山﨑組合長をはじめ、
中村監事やJA担当者の方にはたいへんお世話になっています。
現在作付している農地の近くの地権者からも「来年から自分の田んぼも頼む。」と言われており、
来期以降に農地を更に拡大させる予定になっています。
穴水町との公約は施設従事者の雇用の創出だけでしたが、農業を本格参入するにあたり農業従事者が必要になり、
現在農業従事者だけで正社員7名・登録パート社員で60名を雇用するに至りました。
当施設及び当社の系列である株式会社清泉の宿の施設合わせ約300人の入居者及び利用者がいますが、
その食事に対し、お米(命名:のと米コシヒカリ)や有機野菜の70%を自社栽培し供給できるようになりました。
さらに農地を拡大させる予定ですので、近い将来お米や野菜については100%にできるのではないかと思っています。
また、施設近くの空家についても、1軒家を丸ごと借りて、社員寮に改装しました。
このように、穴水町に対し、耕作放棄地の解消及び雇用の創出、地産地消、空き家対策など、
全国に先駆けた社会貢献ができていると考えています。
地域の方々に助けられて。
玉ねぎ 出荷作業風景
無事出荷した玉ねぎ。
今年から、水田の作付面積を約5ha拡大しました。
5月に「命名;のと米コシヒカリ」の田植えをしたのですが、急激に作付面積を増やしたので遅れ遅れではありましたが
2週間ほどかけてようやく終えることができました。
9月実りの秋を迎えました。稲刈り機も新調し稲刈りをしていたのですが、
日数がかかってしまい、稲が倒れてきたのです。稲刈り機では刈れない状態になりました。
このままではいけないと思い、穴水町シルバー人材センターに相談すると、
翌日から5人集めていただき、手で稲刈りをしてもらいました。
それから数日かかりましたが無事稲刈りを終えることができました。
「能登 清水の里 自然体験農園」で採れた野菜を一度に出荷するわけにもいかないので、
倉庫で温度管理しながら保管していました。
先日、保管していた玉ねぎが約1,600kgダメになるかもしれないと連絡があったのです。
聞いてみると、温度管理を間違えたのか、玉ねぎの芽が急に伸びてきたとのことでした。
しかし、約1,600kgの玉ねぎをそのまま廃棄処分にもするわけにもいかず、
かと言って一度に約1,600kgの玉ねぎをどうすることもできず困っていました。
何気なく、「諸橋おにぎりサロン」の利用者の方々に話をしてみました。
すると、その日から総勢15名ほどの方が、2日かけて玉ねぎの芽を取り皮をむいていただき、
おかげで約8割ほど廃棄せずに済み、翌日全て無事出荷することができました。
このように、突然の依頼にもかかわらず快く引き受けていただける元気な高齢者が大勢いますので、
田舎のマンパワーも捨てたもんじゃないと改めて思いました。
地域の方々に助けていただき、本当にありがとうございました。
入りやすくて出やすい施設。介護サービス併設で安心。
東京限定 特別企画
居室 一例
当施設は、他社よりも低料金で質の高いサービスを提供することを目指しているので、
原則65歳以上であれば全国どこからでも入居できますので、とにかく入りやすくて出やすい施設となっています。
入居一時金も無く、家賃・共益費・管理費・食費・水道光熱費込みで10万円前後の料金体制になっていますので、
都市部の施設と比べると本当に安価な設定になっています。
実際、東京から入居して頂いた方などは価格を聞いて非常に驚かれていましたし、喜んでいただいております。
国民年金受給者や生活保護受給者などの低所得の方の入居も可能ですので、
そういった方からの問い合わせも非常に多くなってきています。
また、居宅介護サービスの通所介護(デイサービス)や、訪問介護(ホームヘルパー)を併設していますし、
介護職員が24時間365日常駐し緊急時の対応もしていますので、安心して生活して頂けると思います。
食事については、『能登 清水の里 自然体験農園 穴水』で自社栽培したお米(命名:のと米コシヒカリ)や
新鮮な有機野菜をふんだんに使ったお食事を提供させていただいています。
『しあわせ食堂』と名付けた当社厨房で、栄養士が管理していますので栄養面でも安心ですし、
愛情込めて作っていますので、必ず「美味しい」といっていただけると思います。
各居室については、全室ベット・テレビ・エアコン付きで、
自社製の手作り家具もお付けすることがすることができます。
今、『平成28年3月31日までの東京限定 特別企画』と題し、
東京にお住まいの人に限り限定3部屋で税込67,500円(要介護のみ)という企画もしています。
部屋からは、山や海が見えますし、自然豊かな環境で住んでみたいと思いませんか?
『移住体験フェア』開催中ですので、当施設宿泊と通所介護(デイサービス)の無料体験(2泊3日まで)も
受け付けしていますので、興味のある方はいつでもご連絡していただきたいと思います。
全従業員の幸せを追求するために。
様々な分野の講師を招き社員研修 ラクシュミー社会保険労務士事務所 所長 小矢田 様
株式会社emu 代表取締役社長 村木様
当社の経営理念は『全従業員の幸せを追求するために、誰にも負けない努力をします。
また、日本の福祉及び社会に貢献することに、責任をもって行動します。』です。
お客様に対し、安価でも質の高いサービスを提供するためには、自分の心にゆとりがないと笑顔で接遇できませんし、
介護は当然のことながら様々なスキルアップも常にしなければならないないと思います。
そこで、当社は人材の育成にも非常に力をいれています。
毎月1回以上の社員研修会を開催していますが、それ以外にも弁護士・税理士・社会保険労務士・経営コンサルタントや
ソーシャルワーカーなど様々な分野の講師を招き、多種多様の研修をし、
さらに外部の研修会にも出席する機会を設けています。
多種多様な研修を通じて介護の分野だけでなく、他の分野についても社員がスキルアップできる環境を心がけています。
新人教育マニュアル・管理者養成プログラム・施設長研修等の育成マニュアルを作成し、
法令遵守の徹底を図るとともに、各種マニュアルを社員全員に周知徹底して全社員の意識を向上させています。
当社は、全従業員の役割にあった適材適所を見極めるように心掛けています。
地方では、引きこもりも多いと聞きます。そんな引きこもりであったとしても、
一人ひとりにちゃんとしたポジションを与えることができれば、その人を救えるような気がします。
当社は、町有財産という公的建物を借りて事業している以上、
何事に対しても公平に判断していく必要があると思いますし、一方に偏った考えもできないと思います。
良いことは良い、悪いことは悪いと、全てちゃんと言えるような教育をしなければいけないし、
そんな環境づくりも重要だと思います。
やはり、全従業員には、自分の会社に自信を持ってもらい、一人ひとりが自分の人生、
自分の仕事が楽しく生きがいがあり、この仕事をしてよかったと思えるようになってもらいたいと思います。
先日役員人事があり、常務取締役に地下竜夫を任命しました。
これからは「能登 清水の里 穴水」及び
「能登 清水の里 自然体験農園 穴水」全体を現場から全てを見ていくよう指示しました。
今回の件を、創業者『森口邦光』に報告したところ、「当社は、何のために仕事をするのか、
能登 清水の里は何のためにあるのか問いていきなさい。それが副社長としての責務である」と叱咤激励をされました。
『株式会社トパーズ』並びに『能登 清水の里』は、社員一同粛々と社業の発展に努力し、
これまで以上に活動していきますので、次回もお楽しみにしていてください。
《 株式会社 トパーズ 取締役副社長 英 裕二 》